健康情報

愛犬の無麻酔歯石取り、デンタルケアのメリット、デメリット

2024.5.23

昔に比べ、ありがたい事にお口の健康は、愛犬が健康に長生きするのに必要なことだと言うことを知ってる飼い主さんがとっても増えました。歯周病は多くの子がかかっている病気で、2歳までにワンちゃんの80%、ネコちゃんの70%が何らかの歯周病にかかっているという最新のデータが出ています。

愛犬の負担を考えると気軽に行えない、麻酔をしての歯石取り。麻酔は老犬には命にかかわったり、持病がある場合は麻酔のリスクが上がることや、内臓への負担を心配する飼い主さんは少なくありません。そんな時、無麻酔の歯石取りはどうなのだろうか?と選択の一つにあがりますよね。金額的にもまったく違います。

実際無麻酔歯石取りを私が感じたことを正直にお伝えしたいと思います。

歯石がついている事で起こりうる健康デメリット

まずは、歯石がついている口内の愛犬の健康デメリットについてですが、歯石は雑菌の塊です。犬は人間と違い虫歯にはなりにくいといわれていますが、そのかわり歯石が付きやすいです。お口の中のpHが人と犬では違うからという事と、人間は口内の唾液に含まれる酵素ででんぷんを分解しますが、犬は消化の酵素を口内には持ち合わせていません。

歯石がついていると、口臭がきつくなるだけでなく、歯茎が炎症し歯槽膿漏を起こします。常に体に害のある菌を取り続けることになるので、内臓へ負担がかかり、腎臓病の原因になってしまう事もあります。

また、歯茎が痛くて噛めなくなって食欲が落ちる愛犬もいます。突然顔の付近を触るのを嫌がったり…雑菌まみれのお口で食べるご飯はおいしくありません。歯石を除去すると食欲が戻ったというお話も耳にしたことがあります。

無麻酔の歯石取りのデメリット1

上記でお話した通り、歯石がついている事で健康被害は口臭問題だけでなく、内臓疾患、食欲減少の原因にまでなりうるので、歯石は除去したほうがいいと言うことは再確認いただけたかと思います。

無麻酔での歯石取りのデメリットはまず、歯についている歯石は除去できますが、歯茎の中まで入っているのは医療行為となるため、動物病院以外で取ることができません。

この事から無麻酔の歯石取りを行っているトリミングサロンでは歯茎の中の歯石を取る事は、出来ないので歯茎の中に入ってしまった歯石を取りたい場合は動物病院をお勧め致します。ただ、沢山取ってきた中で感じたのは、歯茎の中に入ってしまう、というよりは歯茎が歯槽膿漏を起こして歯茎が上がってしまって取れない状態(痛がる、歯がグラついているなど)になっている子の方が歯茎の中に歯石が入り込んでいる子より多くいました。歯石がついている状態だと、炎症を起こし歯茎が痩せてしまって歯も溶けてグラついてしまっています。

そこまでなってしまっている場合は、麻酔のリスクはありますが、一度動物病院で麻酔をかけて除去してしまう方法も良いと思います。グラつている歯なども動物病院は抜くなど処置してくれます。歯茎の炎症はばい菌の温床の歯石を除去してしまえば収まります。

一度綺麗にしてから、メンテナンスという感じで無麻酔の歯石取りに愛犬をつれて通われている飼い主様も多くいました。

無麻酔の歯石取りのデメリット2

続いて2つ目のデメリットですが、歯石がよりつきやすくなる、です。

歯石を取る事で細かい傷がいってしまうことが原因です。取る前よりも、歯石がつきやすいくなるのは避けれません。

このことから、当店では少しの歯石がついていても歯茎が健康であれば、歯石取りが必要でないことを伝えるのと、歯石がついていないところは触らないようにしています。

これは私の経験ですが、動物病院でポリッシング(表面磨き)しても同じです。まだ私がデンタルの知識がないころに実家の当時5歳のダックスの歯石取りをおこないましたが、3か月後には歯石がびっしりついていました。歯磨きが苦手だったので歯磨きせずそのままにしていたのもありますが、取る前より遥かにつきやすくなったな、と感じました。麻酔の後、しんどいのか数日元気がなった様子をいまでも可哀想に思います。

無麻酔の歯石取りのデメリット3

最後にデメリット3つ目ですが、施術中はストレスがかかる、どんな子でもで施術できる訳ではない、という事です。無麻酔は当たり前ですが、意識がある状態で行いますので、その間わんちゃんによって違いはありますがストレスもかかってきます。病院の麻酔も怖い子は同じですが眠ってしまえばお口の処理中は恐怖を感じません。また、極度の怖がりのわんちゃんや噛んでしまうわんちゃんは当然の事行うことができません。

無麻酔歯石取りのメリット

無麻酔歯石取りのメリットは、麻酔での愛犬への体へのダメージがないという事で麻酔ありより手軽に受けやすい、また金銭的にも麻酔をかけるより金額が安くなっています。またサロンなど病院よりも気軽に相談に行きやすいのもメリットです。

また、腎臓病や持病があっても歯石取が行えるという事は大きなメリットになります。歯石でお口がばい菌だらけだと腎臓に負担がかかりますのでその菌を減らす事が出来ます。

まとめ

麻酔あり、無麻酔デンタルケア、双方にメリット、デメリットがあります。

それを知った上で選んで頂きたいと思います。飼い主さんが愛犬を思って選択した事に間違いはないと私は思っています。分からなくて選びようがなかった飼い主さんの参考になれば幸いです。

わたし個人の意見としては、麻酔ありの歯石取りは、何かの手術のついでであったり、歯がグラついて痛くて出来ない、極度の怖がり、噛んでしまうわんちゃんについてはおススメです。それ以外のワンちゃんは麻酔での体のダメージを考えて、無麻酔の歯石取がおススメです。

デメリット2でご説明させていただいたように、施術後のケアが大事です。

歯石取りは施術前に必ず、「口内の健康を保つためには、取った後のケアが大事です。」とお伝えさせて頂いております。

歯磨きが苦手なワンちゃんについても、その子に合ったケア方法をおすすめさせていただいております。歯磨きだけでトリミングサロンや動物病院に月に数回通われる方などもいらっしゃいます、きちんとケアをすれば綺麗に保てます。また溜まりやすい子は1~3か月の間隔で歯石取りを行うことを施術時にオススメしています。

わんちゃんによって口内環境が違うので、溜まりにくい子もいるのでその場合は1~2年後でも大丈夫の場合もあります。飼い主さんが愛犬の口内をチェックしてついてきたかな?と不安になったら歯石を除去できるところにご相談に行かれる事をおすすめします!

愛犬とのロングライフにはデンタルケアは欠かせません♪当店での歯磨き(¥550)は口内チェックも行います。お気軽にご相談くださいませ♪

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